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第60話 ウソみたいなホントの話


悠月も閉店まで残すところ2週間を切ったころ... 連日のようにお客様が最後のご挨拶に来てくれます。 本当に幸せなことですが、47歳のオジィは 体力が無く毎日ヘトヘトで、家に帰ると食事後 すぐに寝てしまいます。 そこでまた体力の無いオジィは、長時間の睡眠が困難で朝早く目が覚めてしまいます... あ〜 今日もまだメチャクチャ早いなぁ〜 チョットだけパソコン仕事しようかなぁ〜 カチャカチャ ポチポチ! しばらくすると... グルルルル〜〜 お腹減った。 パンでも食べよう!! トースターで、パンを焼きながら録画していたドラマでも観ようと思い、リモコンを... んっ??? リモコン無いやん... テーブルの上... テーブルの下... ソファー... ソファーの座面の隙間... ソファーの後ろ... クッションの下... ダイニングテーブルの上... ダイニングテーブルの下... イスの上... ..................... 。 ウソやろ!? 無いやん!! こんなこと47年の人生で初めてです! 寝ぼけて寝室に持って上がったかなぁ... いやいや、そんなアホな! 一応寝室に確認しに行っても見つかりません。 チ〜ンッ!! あっ、パン焼けた! でも、いつもある物が無いと超不安になる性格。 同じ物が同じ場所に無いと超不安になる性格。 缶コーヒーの飲み口は、開ける前にティッシュで拭いてしまう性格。 ビールのジョッキは取手の真向かいか、取手側で飲んでしまう性格。 クソ〜〜 どこ行った〜〜!! 息子は疲れて寝てるし 奥さんはバイトに出てるし ひとりで探すしかない! パンも余熱で真っ黒です。 とりあえず放置して再び捜索開始!! テレビの後ろ バッグの中 キッチン 冷蔵庫の中 食器棚の中 洗面台 浴室 トイレ 仏間 奥さんの寝室 玄関 ..................... 。 ダメだ... どこにも無い...( 泣 ) 気が付けば1時間以上探してました。 「 テレビのリモコンが無い! 」 たまらず奥さんにメールしました。 「 寝る前にはテーブルの上にあったよ! 」 「 どこ探した? 」 いやいや、ほぼ家中全部やし!! もうダメだ... 寝てるところ悪いけど、息子に聞いてみよう。 そ〜っと扉を開けると、やっぱり熟睡していました。 「 息子よ。テレビのリモコン知らんかい? 」 そ〜っと聞いてみる。 「 ん〜〜ん〜〜ん〜〜 」 寝てる... やっぱり疲れてるところ申し訳ないなぁ... 頑張れ!! 息子よ!! お父さんはいつも応援して... んっ? 机の上にリモコンが... ..................... 。 やっぱオマエかいっ!!!! えぇネタくれて、ありがとー!! ゆっくり寝ろよ!! 朝から疲れた... しかし、いつも当たり前のようにある物が急に無くなると、こんなに困って、こんなに不安になるんですね... 「 悠月無くなったらどこ行ったらいいの!? 」 お客様からありがたいお言葉を頂きます。 いつも当たり前のようにあった居酒屋。 無くしてしまうこと、お許しください。 いつも当たり前のように側に居てくれる 奥さんや息子。 ありがとう!! 当たり前のように思えることは、実は当たり前じゃないんですね... ドラマ観ながら黒コゲパン食べよ... あっ、パソコンつけっぱなし!! 電源切らないと... って、フリーズしてるやん!! クソッ!! 続きはまた次回!

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