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第49話 選択肢の前に立つ



人は常に、逃れることの出来ない選択肢の前に立たされます。 高校受験。 どの高校を受験しようか... 大学受験。 どの大学を受験しようか... 就職活動。 どの企業に入社すれば... 朝起きて喉が渇いた〜と思って冷蔵庫を開ける。 お茶にしようか、ジュースにしようか... お昼ご飯を買いにコンビニへ行く。 お弁当にしようか、サンドイッチにしようか... 休日に服を買いに行く。 赤色にしようか、青色にしようか... 人は生きていればその時々に応じて、必ず選択しなければならない。 ..................... ドーーーンッ!!! ​もう少しで机の角にぶつかるところ! なんとか抱き抱えて回避しました! おい! 聞こえるか!? 大丈夫かっ!! うちの奥さんが気を失って倒れたんです。 もう限界だ... こんなに奥さんに苦労させる為に居酒屋やってるんじゃない! いつも一緒に居たいから二人で頑張って来たはずが... でもそれは僕の身勝手な気持ちでした。 もう終わりにしよう... 僕は大きな選択肢の前に立たされました。 ..................... 「 もうダメや。倒れた。 」 「 えぇ〜! すぐ帰る!! 」 県外で就職している息子に連絡すると すぐに休みを取って帰って来てくれました! 家族会議です。 「 もうダメや。こんな思いさせる為に悠月やってるんじゃない。もう終わりにする。 」 「 ...... 。 僕は悠月無くなって欲しくない! 」 息子の名前から付けた店名。 嬉しい言葉でした。 「 会社辞めて帰って来る! バイトしながら店を交代で手伝うから! 」 悩みました... 頑張って大学に行って、就職した息子にこんな思いさせていいものか... 奥さんも同じ気持ちでした。 また選択肢の前に立たされたのです。 息子の意思は固く、「家業を手伝いたい」と、会社を辞めて帰って来ました。 手伝いに入ってくれるようになったものの、従業員を雇えるほど余裕は無く、満足な給料を払ってやれません。 息子にも生活があります。 家賃は要らないにしても、車のローンや保険料、大学の奨学金返済や国民健康保険、国民年金の支払いやスマホ代等々... 結構な額。 代わりに払ってやることも出来ません。 「 手伝いは週末だけにして、あとの日はバイトに行っていいから! 」 僕のように料理は出来ませんが、週末だけでも手伝いに入ってくれると、奥さんが助かります。 「 じゃあそうする。 」 こうして、息子は朝から晩までバイトしながら週末は悠月を手伝ってくれるようになりました。 バイトから帰って来るなり、ソファに倒れ込む息子。 少し睡眠を取ってはすぐシャワーを浴びて、またバイトに出かけます。 もう僕の心も限界でした... なんとかしないと... 続きはまた次回!

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